『脂肪燃焼のための有酸素運動』
ダイエットや筋力アップ、体質改善などの目的でトレーニングの中で欠かせないのが有酸素運動。
ウエイトトレーニングと組み合わせることでより効果的で、目的を達成することができます。
当施設のパーソナルトレーニングでダイエット目的の方にはエアロバイクや心肺機能を高めるトレーニングなども行っていますが、有酸素運動の目的はおもに「脂肪を燃やすため」か「心肺機能を高める」かになります。
ここでは脂肪燃焼を目的にします。
有酸素運動とは、文字通り「酸素を使う」運動で逆に無酸素運動なら「酸素を使わない」運動になります。
有酸素運動と無酸素運動の境目を求める代表的な計算式があります。
目標心拍数=(最大心拍数―安静時心拍数)×目標運動強度(%)+安静時心拍数
※最大心拍数=220-年齢
※目標運動強度…目標とする「運動の激しさ」の割合。最大限に激しく運動した場合を100%とします。
心拍数とは1分間の脈拍を測定します。
つぎに目標運動強度を決め、だいたい有酸素運動と無酸素運動との境界線になるのは85~90%あたりです。
ここでは85%で計算してみます。
年齢が30歳、安静時心拍数60とすると最大心拍数は「220-30=190」となるので
(190-60)×0.85+60=170.5
よって1分間あたりの心拍数が170を超えたあたりが、有酸素運動と無酸素運動の境目です。
脂肪燃焼が目的の場合、目標運動強度は50%程度にしましょう。
あまり高すぎると、有酸素運動といっても炭水化物がエネルギーになる割合が高くなってしまいます。
逆に強度が低すぎると、脂肪がエネルギーの割合が高くはなりますが、消費カロリーが少なくなり運動した意味がなくなってしまいます。
目標運動強度が50%では(190-60)×0.5+60=125
30歳、安静時心拍数60なら、1分間に125程度の心拍数になるようにします。
その運動をどれくらい続ければいいのかというとよく聞く間違いとして「脂肪は運動開始後20分しないと燃えはじめないから、有酸素運動は20分以上つづけないとダメ」と聞きますが、まったくのウソで脂肪は何もしないで安静にしているときでも常に燃え続けています。
脂肪はカラダの機能を維持するためにエネルギーとして使われています。
そして有酸素運動をはじめると、カラダはそのための余分なエネルギーをすぐに必要とするので有酸素運動を開始した直後に、脂肪はより多く燃えはじめます。
例えば有酸素運動を30分連続した場合も、10分間を3回に分けた場合も脂肪を燃やす効果は変わらなかったという実験結果もあります。
ただし、あまり短い時間では消費カロリーが少なすぎて効果がないので「合計で20~30分」はしたいところです。
それを週に2~3回程度行えば、脂肪燃焼の運動としての効果は十分に感じることができます。
逆に有酸素運動をのやり過ぎは問題で、多くても1回に1時間くらいまでにした方がいいでしょう。
やり過ぎによって疲労が蓄積し、ウエイトトレーニングからの回復が遅れ筋肉増強に必要なホルモンレベルを下げてしまったり、逆に太りやすいカラダを作ってしまう可能性もあるので、有酸素運動もほどほどに抑えるようにしましょう。